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今年やりたい事

2015年から2016年にかけての1年間

正直、私は確かな記憶を持たない。

 

だけど、その時期から6年経った今

あの1年間が私に残したものを

しみじみ感じる日々を過ごしている。

 

それが野鳥。

それは当時から今まで

いつも私に添ってくれている。

 

6年前…ぼんやりと庭を眺めたり

川沿いの遊歩道を下を向いて歩いたりしながら

見るともなく鳥を眺めるようになっていた。

 

あの頃、何を食べていたのかな

テレビなどを見ることがあっただろうか
次男は大学受験の年だったけれど
私は何もしてあげられなかったんだろうな…

 

そんな毎日の中で

「いつも見るあの鳥の名前は?」

「鳥には夏鳥、冬鳥がいるんだ・・・」

と思うようになってきた。

「好奇心」が私の魂を少しずつ現実に戻したらしい。

 

そのずっと前から羊毛フェルトで小物を作っていた。

だけど、その空白時期の後は

鳥しか作る気にならなくなった。

 

手仕事をしている時間以外は

カメラを手に散歩に出かけるようになり

それは今も変わらず続けている。

 

そして、これまでのような

「カワセミ見ました!」

「アオサギいました!」

という証拠写真的なものではなく

もう少し物語を感じる写真を撮ってみたくなり

清水の舞台から飛び降りる覚悟で

新たな散歩の相棒を手に入れた。

 

さて、今年はこいつを担いで出歩くぞ。

と言っても、家の近所だとは思うけど。

 

 

 

付属のカメラレンズケースの上をちょんぎって

カメラを装備した状態で持ち歩ける

カメラケースを作りました。

 

何年かぶりに頑張りたいことが出来た。

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あれから10年、これからの10年

東日本大震災から10年。

何年経ってももこの日が来ると朝から心がシーンとする。
その時刻には明後日のイベントに向けて
ショップカードをプリントしている手を止めて黙祷。

あの日あの時も、私は2日後のイベントに向けて

作家さんに手伝ってもらいながらチラシ作りや値付け作業をしていた。

 

10年の間に私を取り巻く人や物、住んでる場所

なんなら自分自身の中身も全く違ったものになったけど

やってることは笑えるほどにひとつも変わってない。

 

次の10年後も変わっていなかったら自分を褒めたい。

 

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明けましておめでとうございます。

昨年があっという間に過ぎすぎて

なんだか新年の実感が持てずにいます。
 
今日から夫も出社し(また自宅勤務になるかもだけどね)
とりあえずお正月の後片付けをしました。
 
我が家はお客様が来て賑やかに過ごすお正月ではないので
あれこれと準備する必要もないのですが
「何となく雰囲気は味わいたい」と思うたちなのと
「長男の好きだった鶏の松風焼きは作ってお供えしたい」という気持ちと
「家宝だよと言われて実家から譲り受けた重箱を
 年に一回くらいは手入れしてあげたい」
この三点で今年も煮物と松風焼きだけ作りました。
後はほとんど買ってきました(;^_^A

 
そして一升瓶は大みそかの一晩で空いてしまいました(^^;

 
今年の春から社会人となり家を出た次男の帰省に関して
コロナ禍の下でどうしたもんかと思ったけれど
ある意味での覚悟を決めて本人に任せました。
 
結果、帰ってきたのですが
「地元に戻ったからってぶらぶらしないでね」という条件付き。
なのでこんなお正月でした。
まぁ、平和ですね。
 
平和だけど、成人男子が一人で帰ってきてもやることもありません。
何もなければ初詣がてら「初売りでも行くー?」というところですが
今年はそれもできず…早々に自分の住まいに戻っていきました。
 
せめて。せっかく帰ってきたのだから祖父母に顔を見せよう。
顔を見せるといっても上がり込むことはできないけど
ベランダの下から手を振るだけなら大丈夫でしょう。
そう思ったんだけれど、祖父母に却下されました。
…なんか心配だし、寂しい。
 
「お義母さん、そこまで言ってると
 一人しかいない孫の顔を二度と見ることなくなっちゃうよ」
って言おうかと思ったけれど
声がなんだか弱々しくて言えなかった。
 
とにかく誰もがいろんな思いを抱えてのお正月だったと思いますが
私も、実家に戻る息子をもろ手を挙げて迎えたり
祖父母交えて新年のごちそうを囲んだり
そういう事が何の心配や覚悟なくできる日が来ます様に…
とそれを願うお正月でした。
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誕生日の翌日

誕生日の翌日の朝。つまり今。

昨夜おうちで食べたピザの残りを温めて食べてる。


うまうま(⌒∇⌒)
 

昨日の朝ご飯はこちら。

さらに前日に開催された八王子手仕事アートマーケットで購入したもの多し。

顔見知りの方が厳選した豆を焙煎している豆をゴリゴリと手で挽いて

これ以上ないくらい丁寧にハンドドリップしたコーヒー。

マーケットで必ず購入するシフォンケーキ屋さんのお気に入りケーキ。

 

さらに言えば、カップも大好きな作家さんの作品。

あー、もっと言えばヤカンもポットマットもお気に入りのもの。

豊かだなぁ…と感じる。
 

…と感じたものだから、満足しちゃったから

その数分後に夫が「何か欲しいものは?行きたいところは?」

と訊いてくれたんだけれど、ひとつも思い浮かばなかった。 

 

「ん〜…なにもないや」というのが私の返事。

夫が残念そうにしているので

「この朝ごはんで満足しちゃった。

 誰かが大切に思いを込めて作ったものに囲まれて

 一つ一つに意識を向けてみるとありがたくてたまらない」

とちゃんと言葉にした。
 
その後、最近ベランダに出てしまうことの多い子猫ちゃんのために
ベランダに敷き詰める人工芝を買いに行って
それが敷かれたベランダを見て、さらに満足。

お天気も良く、今のところ家族親族みんな元気で

土曜日にはいつものマーケットでいつもの仲間に年末の挨拶ができて

他に望むことは本当に何もないな〜。

ひとつだけ願いはあるけど、それは絶対にかなわない事だから。

絶対にかなわないということを本当にわかるまで5年かかったけど。

 

夜には故郷の母からいつものケーキが届いた。

 

子どものころから好きだった栗の実の入ったカスタードパイ。

何十年たっても、誕生日には母が送ってくれる。

ありがたいなぁ。
同時に「あと何年食べられるのかな」と思ってしまったりもする。
そう考えると余計にありがたい。悲しいくらい。
 
そうそう、自分でひとつ自分に贈り物をした。
OKUDAIRA BASEというYouTubeチャンネルで
OKUDAIRAさんが使っているOKUDAIRAさんがプロデュースしたという
小さじ、大さじセット、その商品名は「eda」…枝だよ。
私は小鳥だからね、枝が好きなの…なんて。
このチャンネルを時々見て、このお匙はいいなぁ、どこで売ってるのかな
と思っていたら、なんと自作だったという。さすがです。
詳しくはこちら。

私は自分で作った甘酒や塩麴をかき混ぜたりすくったりするのに使うつもり。
 

そして、今日は「ふたご座流星群」の日。

いつものように夜更けにベランダに出ようとしたら

子猫が「寒いから出るな」とにゃーにゃ―いうのであきらめました。

 

和歌山からの星空ライブを眺めながら

「あー、流れた」「OH!」「great!」というような

あちこちの国の言葉が流れ星を絶賛するのを聞いて

世界が平和でありますように…なんてことを願いながら

眠りについた誕生日の1日でありました。
 

全てにおいて「ありがたや、ありがたや…」という感じです。

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お義母さんの自粛期間作品

義母は元々とても器用な人。(さすが夫の母)

ずっとレース編みなどしていたらしいのですが

私と夫が結婚して以来、パッチワークにハマっていて

以前はよくうちに来て一緒にやったりしました。
 

 

今も時々小さいものを作ってはお店に置いていってくれます。

その縫い合わせのきっちりさ、キルティングの丁寧さ

「手を抜かない」ってこういう事だなーと尊敬してしまいます。
 

 

その義母ともお正月以来会えずにいます。

たまーにお弁当を届けたりする程度しか何も出来ないんですが

いろいろ不便はあるだろうに「元気だよー」と言ってくれて

それだけでも本当に感謝、、、全くもう!コロナめ!
 

 

そして、昨日夫がまたお弁当を届けた時に持ち帰ったのがこれ!

(昨日は千秋楽が見たくて夫に一任したというダメ嫁w)

義母が完全なる引きこもり生活の中で縫い上げた作品の数々。
 

 

凄くないですかーーー!?

「半年もあったのにこれしか出来なかった」

なんて言うんですが、だって85歳ですよ。

 

あーもう、叶わないなって思いつつ

こういうおばあちゃんになりたいって思うのでした。

 

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よだかの話

昨日よだかの話を書いたのは、これから書くことの前振り。

 

今年の夏、私は故郷の八戸で鳥グッズに特化したイベント
「バードフェス」に羊毛フェルトの小鳥たちを連れて飛び入り参加した。

 

そもそもが大きなイベントに委託の形で作品を並べていただく事自体初めて。

実にいろいろなことを考えたし、気づきの多いイベント参加となった。

 

そんな中でひとつ、とても嬉しくかつ残念だった事がある。

 

私の作品の中には当然「よだか」がある。

でもそれはなかなかお迎え先に恵まれない。

いろんな方によだかの星を伝えるきっかけにはなったけれど。

そのよだかが、生まれた八王子からは遠く離れた八戸市で
どなたかのところにお迎えいただいたのだ。

私は、イベント主催&お会計をしていた「ことりカフェ」のKさんに
宮沢賢治が好きな事、だからよだかを作る事などをざっとは話していた。

だから、その日よだかマスコットを手にしたお客様が
「これを作られた方は宮沢賢治がお好きなんですか?」と尋ねられた事や
同時にカワセミのストラップもお求めになった事を
特別なこととして私に教えてくださった。

それを聞いた時の正直な感想は
「そのお客様にお会いしたかった―――」

普段は自分がお店番に立つ売り方をしてるから

お客様の好きな鳥の話、私の好きな鳥の話
なぜその鳥が好きか、どこに行くとその鳥に会えるか
そんな話をたくさんして、大切なうちの小鳥を「よろしくね」と手渡せる。
委託販売だとそれはできないわけで。。。
 
とは言え、普段の活動範囲でよだかに目を止めてくれる人は少ない。
鳥さんLOVEなある種限られたお客様が足を運んでくれる
バードフェスという場だったからこそ、とも言えるだろう。

嬉しくも残念って書いたのはそういうこと。
もし、万が一、八戸市でよだかを購入してくださった方が
これを読んでくれたらなぁ…という思いはかなり強いです。
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よだかの星

私の鳥LOVEの始まりはどこだろう?

答えは明らか。宮沢賢治の「よだかの星」だ。
 

小4。通っていた小学校が焼失し
近くの小学校に間借り通学をした時期があった。
当時の私はかなり活発おてんばな女の子だったが
体育館も校庭もなんとなく自由にのびのびとは使えなかった。
 
そんな日々の中で出会ったのが宮沢賢治。
副読本として渡された宮沢賢治集をただひたすら読んでいた。
どのお話もなんとも物悲しく、風景は暗く
ヒュウ〜という風の音が心の中に吹くような感覚だった。
 
ただでさえ物足りない小学校での毎日で
どうしてまたそんな寂し気な作品にひかれたのか。
たぶん、寂しいときはお酒飲んじゃえとか
悩み事は友達にぶちまけて発散とか
そういうやり方は大人になって身につけるんじゃないかな。
 
そして私は次々と賢治の世界に触れた。
中でも「よだかの星」は何度も何度も読んだ。
 
「救いがないなぁ」なんてことを感じながらも
「カワセミってどんなにきれいな鳥なんだろう」
「鷹ってとっても怖いんだろうな」
なんてことを考えながら鳥図鑑を眺めていた。
 
そんな調子ですっかり「いつも図書館にいる子」になっていった。
それが鳥の世界への入り口。
今の自分の原点。

 

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ブログ完ぺき主義脱却宣言

ブログに対して完ぺき主義なところがある。
 

「なるべく毎日書きたい」という思いが強いから
しばらく書かずにいると宿題みたいに書くことが溜まる。
 
イベントなどのことは特に終了後すぐ写真だけアップしたりするけど
その後片づけなどで疲れちゃったりすると
なんの文章も書かずにそのままになったりする。
 
…最近特に。歳のせいかな。
パソコンに向かって延々何かするってことが苦痛。
10年位前までは全く平気、むしろ好きな作業だったんだけど。
 
書きたいことが溜まっている状態で
また新たなことがあったり、何か思ったりすると
「あー、書いておきたいけどその前にあの事書かなくちゃなー」
とか、誰に叱られるわけでもない事にこだわって書けない。

そんなんじゃ意味がない―――っ。
 
なので、本日宣言します。
今日から「ブログ完ぺき主義」をやめます。
書きたいことを気が向いたときに書くのだ!
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何も出来ない

とてもよく会うけれど友達とも違う
そんな人が今、私と同じ苦しみの中にいる。
だけど、何も出来ずにいる。

本当は駆けつけて抱きしめてあげたい。
だけど、彼女がそれをどう思うかが分からない。
結局何も出来ない。

だけど想いは届くと信じたい。


うちに来るといつも「いい香り」と深呼吸してくれたね。
「同じアロマオイルとディフューザー買っちゃった」
って話していたのを思い出してこれを買ってきた。

泣いたまんまでいいから。
どんな話でも聞くから。

私がいることも思い出して。

これは、彼女が思い出してくれた時に渡そうと思う。
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年頭のつぶやき

年の初め、やはり今年の自分のやり方について色々と考えます。

昨年までとの大きな違いは、今年から出張教室がなくなること。
その分、アトリエに居る時間が長くなることはもちろん
見本作り、レッスンキット作りなどにかけていた時間が空きます。

そこで、もう何年もお金だけ払って借りっぱなしになっている
ネットショップの運営に時間を回せるかなーとか。

何年もの間、SNS頼りになっていた新作お披露目なども
出来るだけブログアップの形で行きたいんだけどなーとか。

(というか厳密にはブログ書いてるんだけどSNSに紐づけするのを忘れること多し)
その辺からボチボチとやっていきたいと思っています。

年末年始のお休み中は羊毛の小鳥作りばかりしていましたが
明日、明後日はミシン仕事初めもしたいと思います。

1月7日から通常営業、よろしくお願いします。

ちなみに本日の新作はキーホルダーサイズのメジロちゃん3羽。

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お誕生日

今日は亡くなった長男の誕生日。

何年経っても命日はその前後
「救えなかった後悔」に襲われて
たまらなく落ち込んでしまうんだけど

誕生日は私の元に生まれてきてくれた事への
感謝の気持ちに満たされるようになった。

彼がいなかったら知らなかったたくさんの事がある。
それがあまりに多いから悲しみのスイッチも多いけど
それは有難いことなんだな、というふうに思う。

今日は阿佐ヶ谷神明宮に、その感謝を伝えに行ってきた。









お誕生日おめでとう。
そして、ありがとう。
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ご縁

本当なら「新作完成」とか「ご注文品紹介」とか
そういうタイトルになるような記事なのですが
今回はちょっと違う、だからカテゴリーも「いろいろ思うこと」で。

写真の2点はTwitterでお知り合いになったminakoさんにお買い上げいただいた
「ちょっとそこまでA4バック」と「斜め掛けポシェット」

あまり細かく書くのもなくなんでザクッと書くと
minakoさんは3年とちょっと前のお通夜の夜
私にTwitterのDMを下さいました。
今にして思うと、会ったこともない、どんな人間かもわからない私に
あのDMを送るのには勇気が必要だっただろうと思います。
 
私はあの夜、その言葉に救いを求め、その言葉を抱きしめていました。
まだ肉体のあった息子の横で何度も何度もそれを読みました。
そのあと何か月も何度も何度もそれを読み返しました。

そしてそれから少し時間が流れて…ある日。
そのDMをくれた方にお礼を言いたくなりDMを探してみたけれど
なんとしたことかそのDMが見つからない。
 
なんだか自分の意識がこの世のものじゃない感じでいた期間に
何度かTwitterからも居たり消えたり逃げたり、いろいろだったので
その間に何人もの友達を積極的になくしたり去られてしまったり…
メッセージもそんなことでなくなってしまったのかもしれません。
あろうことか私はそれを送ってくれたのがどなただったかも失念していました。

だいぶ時間がたってからTwitterで
「もしあの時DMをくれた方がまだ私のそばにいてくれる方だったら
本当にありがとうございました」ということをつぶやいたら
「私だー!」と言って下さったのがminakoさんでした。

そんな関係のminakoさんです。
そのminakoさんが新作できたよツイートを見てお買い物して下さる
そんな日が来るなんて…とそのご縁を不思議に思いつつ感謝しかありません。
 
先にあの世に行ってしまう人はいろんなものを持っていくなぁと
そんなふうに思うことの方が多いですが
最近、いろんなものを残していってくれるなぁということも多いです。
 
今日、これを書いておこうと思ったのは
もし身近に何かつらい思いを抱えている人がいて
その人にかける言葉を探している人が居たら
minakoさんが教えてくれたこの吉田松陰の最後の言葉が
役立ったりするかもしれないと思ったから。

そして自分の生を考えた時「もう夏ではないな」とは思うけど
同じ秋ならまだ晩秋ではないと思いたい…そんなことを今は考えています。

minakoさん、改めてありがとうございました。

=================================================

今日、私が死を目前にして、平穏な心境でいるのは
春夏秋冬の四季の循環という事を考えたからである。

農事で言うと、春に種をまき、夏に苗を植え、秋に刈り取り、冬にそれを貯蔵する。
秋、冬になると農民たちはその年の労働による収穫を喜び
酒をつくり、甘酒をつくって、村々に歓声が満ち溢れるのだ。
つまりその年の労働が終わったのを悲しむ者がいるというのを聞いた事がない。

私は三十歳で生を終わろうとしている。

未だ一つも事を成し遂げることなく、このままで死ぬというのは、
これまでの働きによって育てた穀物が花を咲かせず、
実をつけなかったことに似ているから、惜しむべきことなのかもしれない。

だが、私自身について考えればやはり花咲き実りを迎えたときなのであろう。
なぜなら、人の寿命には定まりがない。
農事が四季を巡って営まれるようなものではないのだ。


人間にもそれに相応しい春夏秋冬があると言えるだろう。
十歳にして死ぬものには、その十歳の中に自ずから四季がある。
二十歳には自ずから二十歳の四季が、
三十歳には自ずから三十歳の四季が、
五十、百歳にも自ずから四季がある。

十歳をもって短いというのは、夏蝉を長生の霊木にしようと願うことだ。
百歳をもって長いというのは、霊椿を蝉にしようとするような事で、
いずれも天寿に達することにはならない。


私は三十歳、四季はすでに備わっており、花を咲かせ、実をつけているはずである。
それが単なる籾殻なのか、成熟した栗の実なのかは私の知るところではない。

もし同志の諸君の中に、私のささやかな真心を憐れみ、
それを受け継いでやろうという人がいるなら、
それはまかれた種子が絶えずに、穀物が年々実っていくのと同じで、
収穫のあった年に恥じないことになるであろう。

同志諸君よ、このことをよく考えて欲しい。

(古川薫著「吉田松陰 留魂録」現代語訳より抜粋)
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お茶会@巣鴨 勝林寺

涙は流さないと溜まるんだよってよく聞くけれど

涙がたまると素直じゃなくなるし後悔ばかり増えるし、その結果人を恨んだりもする。
 

そして、泣けばいいじゃんって言われても3年も経つとなかなか泣けなくなる。
家族にすら私の寂しさはもう過ぎ去ったものとしか理解されなくなる。
何も変わっていないんだけどね。
変わらない部分がちらりとでも顔を出すと、そのグリーフは出る杭のように打たれる。
でも、それが当り前だよって言ってもらえる場所もある。
 
今日私はそういう場所にお招きいただいて(実にジャストなタイミングで)
猛暑の中、久しぶりに電車に乗って行ってきました。
 
巣鴨にある勝林寺のほっこりお茶会。
主催はグリーフケアの活動をされているてるみんさん。
 
お線香のにおいを胸いっぱいに吸い込んで、ご住職のお盆のお経に耳を傾ける。
ご住職の立ててくださった抹茶をいただく。
 
「心閑かなれば茶の味は清々しい」・・・まさに。
 
日本茶マイスターのお話に「知らないことばっかりだなぁ」と頷く。
お茶のこと以外考えない3時間。
なんて贅沢な時間なんだろうな。
 
多分これでいい。
泣いてもいい場所にたまにひっそりと座れれば、多分生きていける。
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受け継ぐもの

2011年9月。私が富士森の手仕事アートマーケットに初めて出た月。その時から常に同じ場所で同じ空気を味わっていたアトリエEbonさんの訃報。悲しい。寂しい。いつもそこにいるのが当たり前だったから。「コマおじさん」はいつも子どもに囲まれていた。

うちの夫が漆器を富士森で販売するようになってからは夫とよく話しているのを見かけた。木の種類、性質の話を教えてくださったり、夫は漆の塗り方や道具の事をを伝えたりしていたらしい。夫もショックな様だ。

数年前に買ったEbonさんの菓子鉢がうちにある。桜だったかなー?縁に皮が残った状態で鉢型にくり抜いたもの。



実はある日突然パカーンと縦にヒビが入ってしまったのだけど、夫が漆でそのヒビを埋めてくれたから今も大切に使っている。




いろんな種類の木でいろんなものを作る方だった。目の前の木の木目や外皮をどう生かすか、どんな器(おもちゃ)にするのがいいだろうかといつも挑戦をし続けているように感じた。本当にいろんなものが並んでいたなぁー。

Ebonさん、この菓子鉢、大切に使い続けるよ。そして見る度にたくさんの子供に囲まれてコマ回しているEbonさんの事を思い出すよ。

合掌(泣)
 

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年が明けてすぐの頃(もしかしたら初夢?)
久しぶりに息子の夢を見た。

この1年に何度か夢に出てきてはくれた。
だけど夢の中で彼はいつも死んでいた。
あちらの世界から尋ねてきた設定。
ぼんやりと表情のわからない顔で
いつも少し辛そうにしていた。
ある時には夢の中で発熱していた。

「こっちはそんなにもつらいんだね」と聞くと
「うん」と頷いてフラフラになっていた。
「もう帰っていいよ。また来てね」と送った。

なにか大勢集まっているところに来て
部屋の隅っこで膝を抱えて座っている時もあった。
あの時も膝に額をつけて辛そうにしていた。
私はただ黙って彼の頭を撫でていた。

しんどそうな夢ばかり・・・。

だけど今年になって見た夢で
彼はあちらから来た人ではなかった。

誰かが廊下に何か水みたいなものをこぼして
私は「もう〜(`_´)」とか言いながら
雑巾でそれを拭いている。
息子はそれを椅子に座って
少し振り返り気味に見ていた。
「ごくろうさん」って軽く思ってる感じで。

初めてだね。
まるで生きている時みたいな姿。

つらさから放たれたのは彼の魂か。
私がなにか変わったのか。

私はこの夢をスピリチュアルに考えるには
ちょっと現実派なのかもしれない。

夢は脳が何かを整理するために見ると思っている。

そしてこれまでは息子にとっては
この世よりあちらの方が居心地がいいのだ
そう思うことで、そういう夢を見ることで
死を受け止めようとしたんだと思う。

そして今はもうどんな夢でも
とにかく彼の顔を見られれば嬉しい。
目覚めた時にそれが現実ではない事で
涙にくれるということも多分ない。
多分ってのは、本心。
日によっては・・・程度の不安定はまだあるから。

でも、なにかがちょっと変わったのかもしれない。

そんな気持ちで過ごしている今年の始まり。
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守られているのかもと思ってる

出店予定だったイベントに
何かしらの理由で出られなくなると
ガッツリと落ち込む癖がある私。
いや、こういう事やってたらきっと誰でもそうよね。

でも、今回ちょっと違った。
特に原因のないエンジンヒューズ切れ。
すぐに直って24時間後には戻ってきた。
そのせいもあるんだろうけれど
きっとあの日あの場所で車が止まっちゃったおかげで
なにか大きなトラブルにあわずに済んだのでは?
そんな風に感じている自分がいる。

昨日、まだ車が戻ってくる前に
富士森の神社と近くの稲荷神社に
珍しくテクテクと歩いていき
お守りくださってありがとうございました
と手を合わせた。
そして家に戻った瞬間に車屋さんから
修理終わりました、の電話。
家の神棚にも感謝伝えてBB号のお迎えに行ってきた。

ホッとしたなー。
まだまだこの車と一緒にいたいもん。


富士森の鳥のなる木


お稲荷さんの見事な彫刻
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憧れのCONERUさん(長文になるに決まってる)

今日はとても久しぶりに遠出しました。

東京スカイツリーの真下まで。

私の憧れのお店が閉店すると聞きいてもたってもいられず。。。


coneruさん。

いつか行ける〜とずっと思っていて

だから、お店がなくなるなんて…

本当に、本当にショックだったんです。

 

「自分のお店を持ちたい」という気持ちが強くなったころ

ネットでいろいろなショップを見て歩いていました。

Coneruさんはそのひとつ。

 

民家のような借り家をお店にしちゃうという

ひとつの方法を提示してくれたのもConeruさん。

オリジナルのConeru人形が人気者で

オリジナルって大切だなぁ〜と教えてくれたのもConeruさん。

 

いつか絶対Coneruちゃんを買いに行きたいと思っていました。

やっと重い腰を上げたのが閉店の数日前だなんて。

 

 

 

 

何から何まで素敵です。

店主さんも本当に柔らかい方。

不躾な私の質問にも丁寧に答えてくれて。

 

だけど、お話しできたのは本当によかったな。

この方はきっとこの先引っ越す先々で何かする方だってわかったから。
それならきっといろんなところの活性化になる!って。
Coneruちゃん買ってきましたよ。
今、私のアトリエの大切なお人形の集い場でにっこりしています。
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富士森秘話2 ある意味ソウルフード@カオマンガイ

長期間、私のブログやSNSを見て下さっている人なら
私のカオマンガイ好きについてわかってくれていると思います。
だけど、どこのでもいいわけじゃないってことも。

富士森の「メイノブちゃん」のだけなんです。
だって、そりゃそうだよね。
富士森のマーケットに出るようになって以来
どっちかがいないとき以外は毎回、毎回、食べていたんだもの。
もはやこれは私にとってソウルフードなのであります。

でもね、生きているといろんなことがあるじゃない?
メイノブちゃんは活動の場所を自分の地元に移した様だし
うちも前は「すみませーん、カオマンガイ4つ!」なんて言っていたのに
子供たちは2人とももう同行しなくなっちゃったし。

「寂しいなぁ」と思うこともあるんだけど
あんなにキラキラと輝くような思い出を持っていることを
本当に家族にも富士森にも感謝したい気持ちです。

そして、その思い出の中にいつも
「メイノブちゃんのカオマンガイ」があるのです。

さてさて、ここからが本題。

なんと、そのメイノブちゃんが、今日の富士森に登場したのです。
そしてね。そしてね。
これをくれたの。
「メイノブちゃんのカオマンガイソース」
(スプーンは言わずと知れた夫の漆塗り!)

おおげさではなく、夢にまで見るようなものです。
メイノブちゃんのバックからこれが出てきた時
そりゃ、泣くよね。泣いていいところだよね。
だってさ、うちの長男、本当にこれ大好きだったんだよー。
(彼のTwitterにもしょっちゅう登場していた〜)

普段なら富士森の日は
「くたびれたー、なんか食べに行こう〜」ってなりがちなんだけど
今日はなんとしても「カオマンガイを!」とお買い物して帰り
自分で作るのは初めてだけれど、これが我が家の「カオマンガイ」

うっ・・・うっ・・・美味しかったよ、ほんとに。
これだよ、これ。このソースだよ。

メイノブちゃん、ほんとうにありがとう。
(また富士森にもおいでよー。いつもじゃなくても。気が向いた時)

そうそう、いつもの小さな器に同じように盛り付けて
ちゃんとあちらの世界の長男にも分けてあげました。
「お、ひさしぶり。うん、美味い!」って言ってます。

<富士森秘話2>
・・・と書いている私ですが
メイノブちゃんがBlue*Benchを訪ねて来てくれた時
「おひさしぶりですー」という彼女の顔を見て
「おひさしぶり・・・」と口では言いながら
「誰だっけ、この顔知ってる顔だけど・・・」と思ってました(;^_^A

それがどうやらばれたらしく
「誰だかわかります?(笑)」とメイノブちゃん。
「いや、全然わかんない。誰だっけ?」と私。
むっちゃいい加減〜〜〜!

そ・れ・が・わ・た・し。

でもね。それはメイノブちゃんがあまりに綺麗だったからだよー。
私の頭の中のメイノブちゃんは
よれよれのTシャツに短パンはいてビーサンとか履いて
頭に布まいて、ちびっこぼーずを追いかけまわしているイメージ。

だからさ、ほんと見違えちゃったの。
ごめんね。

ちなみにカオマンガイなんだけど・・・
次男の感想「鶏肉のジューシーさ以外はこれでいいと思う」
って・・・それってさー、ダメ出しだよねぇ。
だって私がやったことって蒸し鶏作っただけだもん。
あとはメイノブちゃんのソースかけて食べたわけだし〜(;^_^A
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空の青、海の青(富士森秘話1)

今日の富士森で。
実は心震える出会いがふたつあった。
ひとつはこちらのご飯茶碗。

Blue*Benchのアトリエのごく近くに工房がある
「佐々木直美」さんの作品。

この青。
言葉にできない。
特に、内側の中心の青の深さ。

焼き物に詳しくないから
どういう焼きなのかは分からないけど
外側にはいくつもの流れ星。


一目見た途端に心を鷲掴みされました。

その瞬間・・・
清浄な空気の流れる浅間神社の横で
私は確かに亡くなった息子と一緒にいました。

彼は「青」が好きでした。
私も「青」が好きです。

「お母さんが好きなのは空系だよね。僕は海系だな〜」
とよく言っていたのですが、そんな言葉とともに
彼の笑顔が思い出されます。

「いい青だよね」って問いかけたら
「いい!深いっ!」という息子の声が聞こえました。

いつまでもいつまでも手のひらで包んでいたい。
そんな思いになる一品です。

空の青、水の青・・・
このお茶碗にはそのどちらもある気がします。

大切に、大切に、使わせていただきます。


<秘話の秘話>
心惹かれつつ、いったんは棚に戻したお茶碗。
結局、気が気ではなくてお迎えに行ったのですが
私が購入したその直後、夫がこれを求めに行ったそうです。
「すごく欲しそうにしていたから」と。

夫は夫でその時の私と息子の会話を感じたのかもしれません。
お店の方が「奥様が買ってくださいました」と言ったら
すごくほっとした表情をしていたらしい。

家に帰ってからサプライズで
「わぁ、このお茶碗・・・!」
という展開もなかなか素敵だったと思いますが
「自分で一足先に買っちゃった」というあたりが
うちの夫婦らしいなーなんて思ったりです。



 
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故人と共に生きる

息子がこの世から去ってしまった今日
(書類上は明日ですが、私は今日だと思っています)
私は、いつも八王子の地域通貨の活動でお世話になっている
浄土真宗「延立寺」の松本智量様にご紹介いただき
親鸞上人のお誕生会に出席させていただきました。

実家は曹洞宗、大学は日蓮宗系
(まぁ、これはどちらもあまり信仰心なし?)
普段は八百万の神で生活している身なので
今日、はじめて浄土真宗のお経を聞きました。
それはまるで音楽のようでした。
リズミカルで、抑揚に富み、詩吟とかみたいな。
・・・と言ったら失礼にあたるでしょうか?

だけど、そこに集まった檀家様たちが
声も心も一つにしてそれを唱えているのを見て
現代、こういう世界が失われつつある事と
今日私がここに来た意味は無関係ではないと感じました。

私が今日「延立寺」に寄せていただいた理由は
智量様が企画されたグリーフケアについてのお話を聞く為。

「グリーフケア」・・・日本語にすれば「悲嘆ケア」
私がこの言葉を知ったのは去年の年末くらいだったでしょうか。
twitterで、ある方が「めざせグリーフサバイバー」
というようなメッセージをくれたのですが
その時は「グリーフ?」という感じでした。

それからいろいろと検索し、本を読み・・・
世の中には自分と同じ苦しみを抱えている人が
沢山いる
それは時にサポートやケアが必要な場合もある
そして既にグリーフケアの活動をしておられる方もいる
そんなことを少しずつ知っていきました。

また、私は既に周りのたくさんの方から
グリーフサポートを受けていることにも気づきました。

だからこそ昨年の夏のあたりみたいに
1日どころかほんの1時間をやっと生きている様な
あの状態を脱することが出来たのだろうと思います。

今日は書きたいことが沢山ありますが
尽きることがないので、少しずつにしようと思います。

とりあえず今日は。

1年間、私を支えて下さった大切な方たちと
今日、本当に心に沁みるお話をして下さった
「リヴオンのてるみんさん」と
今日の会に呼んでくださった智量様に
まずは感謝をさせて頂くことにします。

また明日以降書こうと思いますが
今日、てるみんさんのお話を聞くにあたって
昨夜、とても不思議な・・・
いや、不思議ではないのでしょうが
ちょっとお導き的な事もありました。
それもまた今度書こうと思います。

今日。5月8日。
この日は息子のあちらの世界でのお誕生日です。
そして。
息子のいない春夏秋冬を一周過ごした私にも
なにかの意味でお誕生日だと思います。
そのお誕生日、最高の過ごし方ができたと感じています。

グリーフの話はまた続けて書いていこうと思います。

とりあえず明日は
「息子が好きだった街で
息子をよく知る人たちと
息子の大好きだった蕎麦屋さんで
息子の大好きだったお蕎麦をすする」
そんな風に息子と共に生きる、をしてきます。
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