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母の草木染イベント

2012年、10月12日〜15日
母が、故郷の青森県八戸市で、高校の同級生三人組で
三人それぞれのライフワークを持ち寄っての展示会を開催しました。


今日は、その様子をお伝えしたいのですが
とにかく、受付と雑用だけをしていた私が
その業務に追われるほどに忙しく・・・
なにかエピソード的なものはお話できないのですが
ご報告がてらの写真を眺めてくだされば・・・と思います。


今回、会場になったのは、八戸市が地域の資源を大事に想いながら
まちの新しい魅力を創り出すために建てたポータルミュージアム「はっち」

それはもう、できた時からの私の憧れの地。聖地。
いずれ年をとってUターンしたら、ぜひ入り浸りたい場所です。
ここの3Fのギャラリーを借りてのイベントでありました。

まず、入り口で目を奪われたのがお花。
何者の展示会なんでしょう・・・という感じ。


中はひっきりなしに訪れるお客様と
あちこちで開催されている同窓会で大盛り上がり。


「あらー、あなたは何期生ですか?」という会話に
伝統のある学校であることが伺われます。
私もこの高校の卒業ですが、一体何期生なんだ?
以前は地元で「お嫁さんにするなら東高校の子」
と言われていたらしいですが、私の時代には進学校になっていました。

別角度から。


母のお友達の二人のうち、一人はステンドグラスのKさん。
 
 それはそれは美しいです。
そして、どれも大作。

もう一人は書のKさん(あ、どっちもKさんだ・・・)

とても勢いの書をお書きになる方で
お話してみると、生き方そのものに勢いを感じました。
この日の前日も夜中の3時まで筆を持っていたそうです。

さて、こちらが母のコーナー。



最初に迎えるのが、この二枚のタペストリー。
以前、母が書いた「芙蓉の花」という
朝鮮からの引き揚げ体験記の心象風景を
見事に表現してくれた二枚だと母。
どちらも染めた布を裂いての裂き織りです。


2枚の大きなパッチワークタペストリーは
「国際キルトフェスティバル」で何度か賞もとったことのあるSさんの作品。
母の新米教師時代の教え子なのですが、今はもう、お友達・・・ですね。
いつもいつも、母のはぎれですばらしい作品を作ってくれています。


梅干を干すざるに並べられた絹のハンカチ。
それぞれに「なにで染めたか」のシール。
草木染は唯一無二だなぁ・・・とつくづく。
このハンカチは「売ってほしい」という声も聞かれましたが
今回は販売は一切しませんでした。
(ブルーベンチではお取り扱いしてますよ♪)


今や幻と言われるほど貴重な「南部紫」の紫根染め。


こちらは反物。
 
いつの間に、こんな大物を染めていたのかしら。。。

こちらは染めた反物を着物に仕立てたものです。
着物のすそ、袖などにパッチワークをあしらって。
 
ピンクのほうはアカネ染め。
藍色は藍染です。

ここでちょっと、母のファッションショー。
まずは初日。

初日は薄紫(もちろん手染め)のお着物。
染めた糸で編んでもらった羽織を着て。
とりどりの紫をモチーフ編みにしてつなげたもの。
とってもかわいかった。。。ほしいな、これ。。。

二日目。
 
山本寛斎さんのところで働いた経歴を持つ方に
デザインと仕立てを頼んで作ってもらったポンチョ風のお洋服。
首に結んだスカーフの後ろをとめているのは
やはり、染めた生地で作ったブローチ。
すずらんのような小さなお花がシャラシャラ・・・と揺れます。



三日目は薄いピンク地の着物にうっすらと水色と紫の線が入ったお着物。
生地のアップがないのが残念ですが、その線は木目調になっています。
そして、この着物に締めた帯には自分で書いたと言う
「涼」という文字が染め抜いてありました。
上に着ている道行も編み物。
たくさんのお花が咲いているような不思議な模様編みになっていました。

最後に、この山盛りの染め布。

ふわふわっと軽い生地を染めたこの布は
実は端っこが結んであり、広げると万国旗のようにつながっています。

これは、母の「祈り」のハンカチです。

母の妹、木村かおるは北朝鮮の拉致被害にあったといわれています。
母は、今でもその救出活動をしています。
「生きているうちに妹の無事を確かめたい」
それが母の願いです。

このハンカチは、数年前に東京都庁で行われた
特定失踪者についての調査を進めて欲しいという大集会の時
壇上で気持ちを訴える母の後ろにはためいていたものです。

今回は、そういう主張のための展示会ではなかったので
クルクルっとまるめてかごに盛られておりました。
苦労知らずの様な母の笑顔ですが
本当に大変な思いをしてきた人です。

私も以前、こんなことをやりました。
興味がある方はご覧ください。
「拉致被害解明を祈って。ブルーリボン運動。」
このとき皆さんの力で作り上げたタペストリーは
今でも時々、母が講演会をする時や署名活動をする時に
展示させていただいております。


さて。昨日の夜のことです。
一日早く東京に戻ってきた私に
いろいろと手伝ってくれた従姉妹から「無事に終わった」
というメールが届きました。

「四日間、準備も入れたらもっと・・・
 80才三人組、よくがんばったよね・・・」と。

本当に。
そのエネルギーはどこから沸いているんだろう。

イベントって自分もやるからわかるんですが
一日だって大変。ぐったりします。それを四日間。。。ひぇーーー。
しかも、聞けば1000部刷ったパンフレットがたりなかったとか。
・・・すごすぎます、その動員数。
さらに、四日間を通して、三人組は常に笑顔でした。
疲れたところなんてみじんも見せていなかった。。。
無事に終わった・・・という安心感と同時に
母を誇りに思う「尊敬の念」というものが湧き上がりました。

従姉妹に話しました。
「すごいよね。お墓に埋めちゃうわけにいかないね。
 みんなで何かしないとね・・・」と。

そういう責任をちょっと感じた昨日です。
お母さん、お疲れ様。
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